次の日の朝、彩音ちゃんと目が合った。

俺は反射的に目を逸らしてしまった。

…なんで俺、こんなことしたんだ?

教室に着いて、俺は友人に尋ねてみた。

「なぁ、ある1人の女の顔が頭から離れなくて、一晩中ソイツのことで頭がいっぱいだったんだが…コレはなんだ?」

「は?お前どーしたの?」

「それから、今朝も目合ったのに、反射的に逸らしちまったんだよ」

「…そんなことお前が聞くなんて、珍しいな」

「分かってるなら、さっさと教えろよ!」

「へいへい…ぶっちゃけるぞ?」

「ああ」

「それはだな…“恋”だ!!」

「…恋?」

俺は聞き返してしまった。

「お前が1人の女を好きになるなんてな…他の女が悲しむぜ?」

「…」

「ま、頑張れよ」

「“恋”か…」