「…あれ?会議室ってどこだっけ?」

早速迷ってしまった。

「うーんと…こっちだ!きゃっ!」

ちょうど曲がり角のところで、人とぶつかってしまった。

「痛たたた…すっすみませんでした!大丈夫ですか!?」

慌てて謝ると、その人は笑って言った。

「大丈夫だよ。君こそ、大丈夫?」

「…」

「?どっか打った?」

「はっ!いえ、大丈夫です!すみませんでした!」

そしてあたしはすぐ走り出した。

「おもしろい子だなぁ。おっと、俺もそろそろ行かないと」


さっきの人…

言葉が出ないくらいカッコよかった…

先輩かな…?

『紫苑ん〜今日はドコ行くぅ〜?』

『今日はあたしでしょー!』

『あたしとよ!』

『あたし!!』

たくさんの女子の声が聞こえたので、そっちを見たら、1人の男子を大勢の女子が囲んでいた。

『ねぇ、早く決めてよぉ〜』

『紫苑〜』

「ごめんな。俺、ちょっと用事があって。ホントはお前たちといたいけど、そうもいかないみたいなんだ。また今度な」

…あんな人の外せない用事って…

「それより急がなきゃ!!」