「お前さぁ、水沢さんのこと嫌いなら、手伝わなきゃいいのに」

「塩崎!!あんたさっきから何言ってんの!?
『めんどくさい』だの『手伝わなきゃいい』だの…
手伝うかどうかはあたしが決めるの。そんなこと言うんだったら、アンタの手伝いなんかしないからね!?
あと…めんどくさいなら帰って。今すぐ帰って!!」

あたしは怒鳴った。

「なんでそんなに怒るんだよ…」

「あたしは確かに水沢先輩苦手だけど、皇帝になってほしくないけど、あたしはみんなの手伝いをしたいの…どうして分かってくれないの…!?」

あたしはその場に泣き崩れた。

塩崎は小さな声ですまなそうに言った。

「白鳥…悪かった」

「彩音ちゃーん。何気に俺、傷ついたんだけどなー…ま、いっか。ますますやりがいがでてきた」

「やりがいって何です…」

あたしがしゃべり終わらないうちに、水沢先輩はあたしを立たせてキスをした。

「おっお前!!」

「…好きにさせるって、言っただろ?」

「――最っ低!!」

そう言ってあたしはまたビンタをしようとした。

が、その手は先輩に掴まれてしまった。

「同じ手は2度は通用しないぜ?威勢がいいのは嫌いじゃないけどな」

あたしは顔を真っ赤にして水沢先輩を睨んだ。

「さ、さっきも言いましたけど、仮にあたしが先輩を好きになっても、こっちには関係ないんですからね!?
だからむ…無意味ですよっ!?いい意味ないことししないで下さい!!」

「……」

水沢先輩は黙ってあたしを見た。

「な、何ですか!?見ないで下さい!!」

「あ、あぁ。悪い。俺、今日はもう帰るわ」

水沢先輩はそう言って会議室から出ていった。

「おい、白鳥!!今アイツに…!!」

「うっうるさいな!!…あたしも帰る!!」

「あ、ちょっとおい!!」

何よ、ホントに!

いきなりキスするなんて、最低!!

それに…あたし、初めてだったのに…

水沢紫苑、呪ってやる!!