「あのさー聞こうと思ってたんだけどよー」

「なに塩崎。早く言ってよ」

「ここって毎日来なきゃいけねぇの?つかこれ毎日あんの?」

「さぁね。キミが来たくなきゃ来なくても別にいいんじゃない?」

塩崎は黒崎先輩の答えに少し困った顔をした。

「別に来たくねぇ訳じゃねぇんだけどよ…ただ、めんどくさいっていうか」

「じゃあ帰っていいと思うよ?あたしはいるけど」

「…俺、今日はもう少しいる」

塩崎がそう言ったあと、

「ぶっ!!」

誰かが吹き出した。

水沢先輩だった。

「…何がおかしいんだよ」

「いや、ただ単純だなって思っただけだよ。それにしても鈍いし…モタモタしてると俺が取っちゃうぜ?」

「な゛っ!?ううるせぇ!黙れ!!」

「面白いな、お前。ね、彩音ちゃん」

苦手な水沢先輩に話をふられ、あたしは固まってしまった。

「あれ?まだ怒ってんの?だったら俺も許さないから」

「別に。怒ってはいませんけど…それにもし先輩があたしを許さなくても、別にあたしはいいですから」

「ははっ!ヒドいな!ま、あの時はビックリしたけど、別に俺も怒ってはいねぇし…
あと、俺のことまだ嫌いみたいだけど、そんなんで公平に見れんのかよ?」

水沢先輩は笑いながら言った。

「その時には私情は挟みませんから。大丈夫です」

「あっそ…じゃあ意味ねぇのかよ」

「そうですね」

この会話からも分かるように、あたしはやっぱり水沢先輩が苦手だ。

正直、先輩には皇帝になってほしくない。

でも…

「なんかさー、さっきから聞いてっと、水沢さんと白鳥、何かあったみたいだけど…何かあったのか?」

塩崎の質問に水沢先輩が即回答した。

「楽しーいことたくさんしたよね、彩音ちゃん♪」

そう言ってあたしを抱き寄せてきたので、あたしはその腕を振り払った。

「何もしてないでしょ!誤解を招くようなこと言わないで下さい」

あたしは淡々と言った。

すると塩崎が言った。