「失礼します。1年2組の白鳥です。2年3組の担任の先生はいらっしゃいますか」

しばらくして30代の男の人が来た。

「1年生の君が何の用だい?」

「暁先輩のことなんですけど、今朝の遅刻はあたしのせいなんです。先輩だけだったら遅刻にはならなかったのに、あたしを教室まで送ってって下さったから…だからなしにしてほしいんです!お願いします!!」

あたしは頭を下げてお願いをした。

「…なんで君がそこまでする必要があるんだ?そもそも、暁とはどをな関係?付き合ってるとか?」

「そっそんなことはないです!!私は暁先輩の…候補生のサポーターです」

「…なんでサポーターがこんなことを?」

「先輩は好意で私を助けてくれたんです。それなのに先輩は損をして…先輩はそんなことないと思いますけど、その好意がなくなってしまうのが嫌なんです。だから…お願いします!!取り消して下さい!!」

あたしが必死に訴えると、先生はついにおれた。

「…仕方ない。今回だけ君に免じて許してやろう。だが、次はないと言っておけ。いいな」

「――っはい!!ありがとうございます!!」

そのことが嬉しくて、早速あたしは暁先輩にそれを伝えに行った。

「は?お前、そんなことをしていたのか?」

「はい。…何か問題でも…?」

「大ありだ!!これは俺の問題であって、お前は関係ないんだぞ!?何故お前がそこまでするんだよ!」

普段大人しい暁先輩が怒っている。

「…確かに先輩にとってあたしは何の関係もないのかもしれません。でもあたしは先輩のサポーターです。あたしにとっては関係あることなんです!」

「だからってお前が…」

「困っていたら助ける。それがサポーターだと思うんです。頼りないかもしれませんが、こういう時くらい頼って下さい」

先輩は黙ってしまった。

「余計なことしてすみませんでした。失礼します」

「ったく…か、感謝している。それと…」

先輩は頬を赤く染めて言った。

「これからは頼りにするからな!…白鳥!!」

「…はいっ!!」

「じゃ、行くか」

「はいっ!!」

そしてあたしたちは会議室へ向かった。