「お題、漣が引いて!」



急かす坂原に流されて、慌ててクジを引く。




《スキな人》



「え………………。」


お題のクジには、《スキな人》、そう書いてあった。

これは…どうしろと?思わず坂原を見上げる。好きな人……。



ドキン



ど、どうしよう……。そんな人……。いない…とは言えない自分がいた。…。



お題の紙を見つめたまま固まるあたしを、坂原は不思議そうに見つめている。




「漣…?」



坂原はあたしの手にあるお題の紙をのぞき込んだ。



「「…………………。」」



今度は二人で無言になってしまった。