「ねぇ」



不意に声をかけられ振り向くと…―



――…昨日出会った男の子がいた。



「あっ…昨日…」



「もしかしてまた迷ったの?よく迷うね」



クスッと笑われて男の子はそう言った。



「う、ん。また迷っちゃったみたい。昇降口に行きたいんだけどどこだかわかんなくて?」



「昇降口?」



「そうだよ。入学式の前に自分の教室に行くから」



「もしかして1年生?」



「…?そうだよ?」



「新1年生は入学式終わった後にクラス発表なはずだよ?」