午前の部の対戦が始まり、
私は星葉の選手団の中にいた。

自分の部の先輩が
目の前で試合をしているというのに

私はすっかりうわの空だった。



「あっ!」


突然サヤが大きな声を出したのでビクっとなってしまった。

「美羽っ!
アレ!あそこ!

川原くんじゃない?」


ちょうど私たちのいる端のコート横には大会本部がある。

そこに入っていく川原くんをサヤが指さしていた。


(……!
そうだ、川原くんも皇陽台じゃん…

ユウくんと同じ部にいるんだ)



予期せぬところで一気に繋がった点と線に

私は頭がクラクラしていた。

――自分にゆかりのある男性が

同じ高校にいる

同じ部にいる

そして今

ここに私もいる――