そう思うことにしよう。

頭がパンク状態でなにがなにやら収集がつかなくなりそうだ。


そう思うと、心が少し軽くなるのを感じた。


とりあえず、家に帰ろう。



私はここを去ろうと一歩踏み出した。


「あ、姫野さん」


思い出したように、背中に声を投げ掛けられる。


「また、明日ね」


「…さよなら」


私は振り向かずにその場を去った。



また、明日。



その言葉に違和感を覚えた。


明日は祝日だ。
だから、学校で会うことはないはずなのに。


まるで明日も会うことを確信しているみたいだ。


まさか…ね。



私は胸に疼いた不安を掻き消すように、湿っぽい外へと駆け出した。