「きゃー、亜莉子ちゃん似合うわー!」
「…そうですか?」
「もっと笑って!ほら、笑顔」
「えへ」
「きゃーあたしのタイプだわその笑顔!もうヤダ、キュンキュンしちゃうじゃない一体どうしてくれるのよっ」
「いや、そんなこと言われても…」
「ねー奏もそう思うでしょー?」
「うるさいから少し黙って。姫野さん困ってるから」
私は突然の出来事に頭が混乱していた。
え、今のこの状況何?
私は気持ちを落ち着かせる為に改めて周りを見渡した。
あまりにも不気味な外観とは正反対の華やかな室内。
リビングから二階へと続く螺旋階段やシャンデリア、そして一体いくつ部屋があるんだと思う程の扉の数の多さ。
通常の人が住めるような所ではない。
そもそも外観からして人が住んでいるなんて思いもしないだろう。