どす黒い背景に濃い深緑の葉が目につく。木々が四方八方に詰まっており、まるで森の海だ。葉と葉が擦れて涼しいくもあり不気味な音を奏でていた。この青木ヶ原樹海は自殺の名所で入口らしき場所には「命を無駄にしないで下さい」と看板を刺して注意を促して自殺希望者を食い止めているらしい。
僕は、こういった場所がこの頃から大好きだった。
樹海の中に入ると暗闇が視界を奪い微かに道が見える程度だ。帰れる範囲内まで奥に行くと自殺者の私物が当たり前のように転がっている。
僕の心臓がドクドクと運動していた、恐怖というよりは高揚感が勝って心臓が弾んでいたのだ。僕は目を閉じて脳に全神経を集中して場所に少しずつ馴染んでいく、想像が僕を支配し瞼に映像として映し出す。
今から首を吊ろうと三十路ぐらいの女性が縄を木に吊るして縄を掴んでいる。映像が切り替わり性的暴行を受けている二十歳前後の女性が泣きながら暴れている。それからも何度か映像が切り替わりリアルを感じた。僕は宿に帰り、新聞のチラシの裏に絵を描いた。
その夜は性的に興奮したのかなかなか眠りにつけなかった。恐らく、一般的には異常者扱いされるだろうけど僕からしてみれば普通の事だ。
突然、亜美は僕の制服の袖を掴み引っ張った。
「号君、どうしたの??ぼーっとして、遅刻しちゃうよ」
僕は亜美の手をゆっくりとほどき、笑顔を見せた。勿論、偽物で固めた表情だ。人と関わる時は自分じゃない自分を演じている。その方が何かと楽だからだ。
僕は、こういった場所がこの頃から大好きだった。
樹海の中に入ると暗闇が視界を奪い微かに道が見える程度だ。帰れる範囲内まで奥に行くと自殺者の私物が当たり前のように転がっている。
僕の心臓がドクドクと運動していた、恐怖というよりは高揚感が勝って心臓が弾んでいたのだ。僕は目を閉じて脳に全神経を集中して場所に少しずつ馴染んでいく、想像が僕を支配し瞼に映像として映し出す。
今から首を吊ろうと三十路ぐらいの女性が縄を木に吊るして縄を掴んでいる。映像が切り替わり性的暴行を受けている二十歳前後の女性が泣きながら暴れている。それからも何度か映像が切り替わりリアルを感じた。僕は宿に帰り、新聞のチラシの裏に絵を描いた。
その夜は性的に興奮したのかなかなか眠りにつけなかった。恐らく、一般的には異常者扱いされるだろうけど僕からしてみれば普通の事だ。
突然、亜美は僕の制服の袖を掴み引っ張った。
「号君、どうしたの??ぼーっとして、遅刻しちゃうよ」
僕は亜美の手をゆっくりとほどき、笑顔を見せた。勿論、偽物で固めた表情だ。人と関わる時は自分じゃない自分を演じている。その方が何かと楽だからだ。