高校に入って2年目。
俺は自分の家の近くにある平凡なランクでいける平凡な高校に通っている。
ぶっちゃけると俺は普通が好きだ。
普通な生活に普通な家庭。
将来だって、普通にサラリーマンになって可愛くも不細工でもない……いや、ちょっと可愛い方が良いな。
そんなお嫁さんと結婚……なんて事を考えてる。
唯一、普通より上にいってると言ったら学力だろうか。
自慢じゃないが上ぐらいだろうか。
そんな俺だが、1年の時から何事もなく平凡に暮らしていた。
2年になってもそう変わりなくやっていけるハズ…。
そう思っていた。
2年に上がるまでは。
そう、ことの発端は4月の初登校日。
2年になった俺はB組というこれまた中途半端なクラスだった。
…いや、クラスに中途半端も何もないか。
このクラスの担任は村上 裕大(むらかみ ゆうだい)というガタイの良いオッサンだ(本人の前でオッサン呼ばわりすると怖いので心の中で呼ぼう)
因みにトレードマークは顎鬚(あごひげ)である。
なんでも生徒会顧問だとか。
この時点で俺は気付くべきだったのだ。
…いや、俺だからこそ気がつくわけがない。
この学校の生徒会役員は少し変った決め方をする。
なんでも生徒会顧問の先生が直々に気に入った生徒を任命するとか(勿論よっぽどの理由がないかぎり拒否権はない)
…そんな生徒会顧問の先生が担任なんて最悪過ぎる。
だが、この時点の俺はそんなことも考えず、いつも通り平凡な日常になると信じていた。
…ホームルームの時間が始まる前までは、の話だが。