鞄から財布を取り出そうとする手を黒田さんに止められた。


「俺に払わせろ。」


「へ…?

いえいえ!!そんなことできません!!」


「いいから。

あ、カードで。一括ね。」

黒田さんは店員さんにカードを渡してしまった。


「……すみません。

ありがとうございます…」


「気にすんな。」


「気にします!!」

そんなやり取りをした後、黒田さんはサインを書き、私達はお店を出た。


「…ちょっとお茶するか」


「いいですね!!

今度はちゃんと私に払わせてください」

オープンテラスのあるカフェに入った。