そんなことを
悩んでいるとは
知らずに、山本は
生徒会で仕事をしていた。

生徒会とは仲が良いから
私も入らせてもらった。

椅子に腰掛け
私は小学校五年から
友達の智恵に話した。
「なぁ、智ちゃん聞いて」

「どうしたん?」

必死に涙を我慢したから
喉が熱くて痛かった。

「五組のみんなに別れろとか言われて、めっちゃ辛いねん……」

智ちゃんにしか聞こえない小さな声でそう言うと、智ちゃんは私の頭を撫でた。

「そんなんな、僻んでるだけや。そんなん言われたかって悩まんでいい」

とうとう私の涙腺が爆発し
涙がボロボロ零れ落ちた。

智ちゃんにがっしり
しがみつき、服を
びしょびしょにするぐらい
涙が落ちた。

さすがに私が泣いているのに
気づいた山本は私の方に
ゆっくり近寄ってきた。

「どうしたん…?」

山本がそう言うと
智ちゃんは黙って
席を外した。

「あのな………」

泣きながら…
辛かったこと
全部吐き出した。

「俺、西山と帰んのが一番楽しみやし、全然疲れてへんし」

そう言ってくれた。

そして、山本は両手を
広げて「おいで」
って言ってくれた。

私は飛び付いた。

嬉しすぎた……。

ありがとう……