プロローグ
あたしの親がいないのなんて当たり前だった。
運動会に、文化祭、授業参観日。
あたしは、そんな日が来る度心が虚しくなった。
照れて親を見る子。うざそうにしてるけど、本当は来てもらって喜んでる子。
でも、あたしはいつだって一人だった。
兄貴や、姉貴がいてもどうしようもなかった。
兄弟みんなは、親の愛情を受けて育った。なのに、あたしだけ親の愛情なんて知らずに育った。
だから、道から外れた。
外道に、なって悪さも沢山した。喧嘩だって沢山した。
でも、兄貴や姉貴は、あたしの人生には一切口だししなかった。ただ、『自分の人生は、自分で切り開け』って言われた。
そんな、兄貴や姉貴が大好きだった。
けど、あたしには悩みがあった。
恋らしい恋なんてしてない。あたしは、まだ恋愛というものは経験してなかった。
なのに、派手目なその顔から『遊び人』『泥棒猫』そんなことを言われる度に、激怒していた。
けど、途中から激怒すればするほど、虚しさが積もっていくだけだった。
だからそんな噂、気にも止めていなかった。
だけど、そんなのはただ自分を守ろうとしていただけだった。
結局自分のことしか、考えてなかった。
だけど、あなたに会えて人生が変わったのかもしれない。
あたしに、本当の恋を教えてくれたね。
あなたと、出会えて本当によかった。