｢でも志緒先輩に聞きました。今は雪センパイも少しは俺を見てくれるようになったって。｣



は？あたしそんなこと志緒に言った覚え無いんだけど･･･。




そうして少し近づいてこようとしたから反射的に少し退いてしまった。



そうするとちょっと淋しそうな顔になった。



そんな顔されたってあたしは騙されませんからね！



｢さっき俺が１年生と話しているのを聞いて嫉妬してくれたって。｣



そういうと今度は嬉しそうな顔になった。



意味が分からない。呆れた奴だ。



つくづく呆れた奴。あたしがコイツに嫉妬？



する訳が無い。



あたしは嫉妬したんじゃなくて怒っただけ。




毎日毎日止むことのない甘い言葉で口説いて



もうセンパイだけって言うから信じようと思ったけど



それが間違いだった。




結局は何も変わっていないんだ。




苛立ちが込み上げとうとう爆発してしまった



｢何が･･･何が嫉妬だ。あたしはアンタに嫉妬した覚えはない。勝手に都合のいいように妄想しないで！｣



大声で言うと二人とも驚いて目を見開いていた。




｢え･･･でも妄想じゃなくて、俺が１年生と話しているときすごく淋しそうだったって聞きましたけど。｣


｢どうせ、アンタは志緒から聞いたことをいいように変換させただけよ。あたしは呆れてたの。怒ってたの。失望したの！！｣



もう自分でも何を言ってるかわからないほど頭に血が上り好き勝手にしゃべった。



目の前にはあたしの言葉を聞いて必死に頭を整理させようと目をキョロキョロさせている橘くん。