それは本当のこと。



俺が機嫌の良いときなんて何かと雪センパイが絡んでる時しかないんだから。




「さっき、教室まで送ったときに、いつもなら一緒に教室に入るんですけど入らないで隣の空き教室に入ったんです。」



その時にセンパイがドアから顔を覗かせてちょっと驚いた顔で
えっ?って言ったのが





嬉しくて・・・・・・・





まるで俺が一緒にいるのが当たり前のように感じてくれてるようで。




その表情が可愛くて我慢出来ずに思わず抱き締めてしまった。




「なるほどね。」



それを話すと先輩は神妙な顔つきになった。



「それなら、ますますマズイわ。」


「え・・・な、何でですか?」

「それは、やっと雪がアンタに気を持つようになった証拠でしょ!いや、もしかしたらもう好きなのかも。」





好き────────





雪センパイが俺を?



天国にも昇るような嬉しさが込み上げるのもつかの間。



志緒先輩の次の言葉で一気に
落とされた。



「だけど、さっきの話を聞いてるときの雪は何か寂しげなボーッとしている感じだった。でもその後ものすごい眉をひそめていたから怒ってたのは確かね。」


「は―・・・夢みたいです。センパイが俺にヤキモチ焼いてくれるなんて。」



感激だ。いつも俺ばっかりだったから嬉しすぎる!