「はいはい。もう教室だから自分のとこに帰って。」


ドアを開けながら言う。



でもどうせ、いつもみたいに
入ってくるんだろうな・・・



そう思って後ろを意識していると気配が無い。



あれ?



後ろを向くと、橘くんがいない。




「え・・・・・・?」




いつもなら一緒になって入って
くるのに。



開いたドアから廊下を見つめ思ってしまった。




・・・って何だかあたしが
橘くんを待ってるみたいじゃん。




あ〜〜ダメ!!!
惑わされちゃダメ!!



最近ずっとくっついていられた
せいか、一緒にいるのが当たり前
のようになってきた。




それじゃぁ、ダメ。




彼は単にあたしで遊んでるだけなんだから!




そう思い直しドアから再び中へ
戻ろうとすると




「センパイ、そんな可愛いことされたら、俺我慢できませんよ。」


「ぅわっ」



突然隣の教室のドアから出てきて腕を捕まれ引き寄せられた。




「ちょ、離しなさい!!ここは廊下で・・・」


「そう言ってるわりには腕に力が入ってませんよ。」



そう言われ、思いっきり押してやるがなかなか離してくれない。




「センパイは自分のことオトコ女って言いますけど、全然違いますよ。俺、ちょっとしか力入れてないですけど押せてないじゃないですか。」



本当にちょっとしか入れてないのかと言うほど強く抱き締められてる。