女の子が数名頬を赤らめながら
こちらを見ていた。



あたしもジッと見ていると


一人の女の子が口を開いた。




「もしかして、旋慄学園の演劇部部長の羽山雪さんですか?」



「うん。そうだけど・・・」



そう言うと3人は目を輝かせた。




「あ、あたし学園祭のときにセンパイの演技を見て感動しました!今年も頑張って下さい!!」


「え、あぁ。ありがとう!期待に応えられるようにベストを尽くすよ。」


「はい!それじゃぁ失礼します。」




彼女達がペコッと頭を下げ去っていくと今度は橘くんがムスッとした顔でつったっていた。




「・・・・・・買ってきたんなら早くちょうだいよ。ジュース。」



彼に手を差し伸べると
今度はフッと悲しい顔になった。




「やっぱり俺・・・センパイのタイプになるのは難しいです。」


「え?・・・あぁ。でしょ?だから何度も言ったじゃない。」


「女子と楽しく話しているだけでも、嫉妬してしまうんです。」




え、そっち?



そっちの方向か・・・



ていうか、やっぱり思っていた通り彼は嫉妬深い。




女子にまで嫉妬するなんてね。




「じゃぁ、あたしは諦めたほうがいい。あなたなら、周りにいくらでもいるでしょ?」


「確かに女の子は周りには沢山いますよ。俺が本気になれば彼女だってすぐに出来ます。」




うわ〜・・・最低な女たらしだ。



しかも何なの?
その自身有りげな表情は!



あたしが、やっていられないとため息を吐くと"でも"と呟いた。