「何しているんですか!?」


その背中を見送った後で、開口一番で雪が怒鳴る。

そこにはもう少し前までの殺気立った気配もなくなっていた。

鋭い爪もすっかり人と同じ丸みを帯びた爪に戻っている。


「あいつらが気になって追い掛けただけ……」

「それは分かります! ですが……海理様があんな調子で心配なのに、彩十さんまで何かあったら困ります」


野菜を再び持ち上げ、今度は心配するかのように雪は言う。

その表情はとても不安そうなものだった。そうか、俺はこいつに心配かけたのか。