会場である小学校からはお祭りの音楽が聞こえてくる。 本当に小さいお祭りだけど、この町内じゃ毎年夏には欠かせないイベントの一つになってる。 これが終わるともうすぐ7月も終わりだな~って…。 「あっ」 「おっ」 ボーっとしながら小学校の校庭に入ったとたん、カンナが声をあげた。 ほぼ同時に声が返ってくる。 …この声、もしかして…。 顔を上げると、思い描いた人がいた。 …未だに忘れる事ができない、私の好きな人…ジン。