「……先が思いやられるよ。あ…真鈴。お腹空いたにゃ…」
グウゥ〜とネアの腹の虫が鳴る。
そういえば何も食べないでここまで来たから、あたしもお腹が空いたな。
「とりあえずマロニばぁ様に会いに行こうか!」
人間界で暮らす真鈴の祖母だ今回の修業で1年間お世話になる事になっている。
「マロニの手料理はうまいからにゃ」
ネアはそう言ってよだれをたらす。
ネアは元々、マロニばぁ様の使い魔だったから懐かしいのだろう。
手料理がとか言ってるけど、本当はマロニばぁ様に会えるのが楽しみなんだ。
「じゃあ行こうか!」
真鈴はネアを抱き上げる。
「リーティン・デリア・フラップ・コスモス!!」
真鈴の魔法で二人は飛び立ち夜の闇に消えていった。
「よし!赤信号は止まって
青信号で渡るんだよね!」
横断歩道の前で真鈴は何度も信号を確認する。
魔界には信号なんて無いし車とか自転車も無い全てホウキなのだ。
「…そんなに心配しなくても大丈夫だよ。飛び出さない限りね」
ネアは真鈴の隣で眠そうに車を見つめている。
「…………にゃ?」
行き交う車を見つめていた。
ネアが目を見開き何かを凝視している。
「どうしたの?ネア」
真鈴の問い掛けには答えず、ただじっと正面を凝縮していた。
ネアの見つめる先に視線を向けると…。
「え!?」
赤信号の横断歩道の真ん中に男の子がいた。
その子はサッカーボール
を追っかけて来たようだ。
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「人間界ではサッカーボールを持っていれば赤信号も無視していいんだね!」
あたしも買おう〜っ。いやぁフリーパスポート的な感じかな?
「んなわけないでしょ!
真鈴、あんた何を
勉強してきたの!?」
「何って………あっ!!!」
ネアと口喧嘩をしている間にサッカーボールを手にとった男の子の背後にはトラックが迫っていた。
「おい!!まじかよ!?」
真鈴の後ろから切羽詰まった声が聞こえた。
振り向くと、同じ学校の制服を着た少年が今にも道路に飛び出そうとしている。
「ありゃりゃ…。これはまずいかも…?」
男の子も助けようとしている少年も今飛び出せば二人共アウトだ。
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「リーティン・デリア・マジック・ブルーム!」
真鈴は魔法でほうきを
出して跨がった
「よっしゃーっ!!行きます!!」
真鈴は数秒で男の子の所まで飛んで行き、男の子を抱き抱えた。
「おわあぁぁぁっ!!」
男の子を抱えているせいでほうきに掴まれずほうきから投げ出される。
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「リーティン・デリア・スレイト・ブロウ!」
小さい風が起こり、二人の体を受け止めた。
「…………ふぅ…」
良かったぁ〜…。ガードレールにぶつかって死ぬ所だったよ。
寿命が縮んだと思う。
真鈴が腕の中の男の子を見つめると、驚いている男の子と目が合った。