「あの…」 あたしをいきなり呼び止めた古谷くん。 はっきり口にしない。 こうゆうの、苦手だ…。 「…すみません」 顔に出ちゃったのか、彼は小さく謝ると逃げるように体育館に入った。 あたしたちも、逃げるように裏に行った。 でも、視線を感じたんだ。 誰の視線か、分かってるはずなのに。 気づいていないフリをするあたしは、ただの卑怯者だ。