出るときの、一瞬の顔。 彼女は、見逃さなかったみたいだ。 でも、涙を流せない。 笑顔をつくって、うなずいた。 校庭で話し合うのか、みんなが集まっている。 あたしたちも早足で集まった。 体育館を、ちらちら見ながら。 「ぎゃっ」 よそ見をしながら走ったせいか、ハデに転んだ。 …かわいくない悲鳴。 こんな悲鳴、なさけない…。