悲しくない。 悔しいんでもない。 自然に頬をつたうの。 「ずっと、見てた。ストーカーみたいだな…。 でも、あの試合のときから、気になって仕方なかった」 あたしもそうだよ。 なぜか目がおってたの。 …いつのまにか好きになってたの。 すごく、幸せ。 けど、声がでない。 音にならない。 彼は指で、そっとふきとった。 頬に、静かに流れる涙を。