彼が少し前を歩きだす。


そのまま一緒に階段をのぼる。


「どこ行くの?」


「ナイショ」


イジワルな笑顔を見せた彼に、頬を少し膨らませるあたし。


「こっち」


そんなあたしには気付かずに、どんどんのぼる。


ずっとのぼって、ドアが見えた。


「ここ…」


彼が微笑んで、ドアを開けてくれた。