―――……


それからおよそ二時間後、父様が山盛りのフルーツを持ってやってきた。


「や、やあ娘や。元気かいうん? そうかいそうかいよかったよかった。…あ、これはね、あれだよおすそわけ。いるだろ?」


「……」


「日本からお土産が届いたんだよ。夕張メロンがこぉんなに。まおの好きな桃だってあるぞ? 巨峰にマスカットもほら、いっぱい」


「……」


「…あ、ほ、ほれ梨だ! 梨だよまお。スターフルーツまであるじゃないか! 切ってみたら面白いぞ? 星の形になるんだよ、ね、まおや?」


「……」


「……あ…あれ…」


フルーツなんかでフルーツなんかで…。

ご機嫌取りだってばればれだし…。


……。


「えいっ」


「あ」


…もらうけど。

ももすきももすき!

あっ、ぶどうもだいすき~っ❤❤


「坂本さん坂本さん!」


「はーいっ? お呼びでしょうかーっ!」


口元に手を当てて呼ぶと、どこからともなく坂本さんが現れた。