「お前あれだな。“まお節”は健在そうだな」


「まお……なんだって?」


今なんかヘンなこと言わなかった父様。


「??」


あたしが聞き返したのにもかかわらず、父様は満足そうに頷いて行ってしまった。

首を傾げながらも、梨音と琥珀とかっくんを引っ張って本邸まで歩いた。


「かっくん、父様本気だよ」


「ぽいな…」


そのためにここまで呼んだってことでしょ?

無茶苦茶するよねあの人も…。


「お前間違いなく父似だな」


「ええ!?」


あ、あんなのに似てるっていうの!?


「か、かっくんひどい……」


「本気で傷つくな。とーさんかわいそうだぞ」


だってぇ~!


むっと頬を膨らませながら、門の認証機に手をかざす。


「これ門?」


「そだよ」


「……」


―ピーッ。フジミネマヒロサマ。ニンショウシマシタ。ソレデハセイモンヲ―


……は? 声紋?