「父様なんてきらいよっ」
「ぐっさぁーっ!! めちゃくちゃ傷ついたよおとおさん!?」
「ふんっ」
怒られるからとかメモ書き残してったくせにちゃっかり一日で帰ってきたよ。
……ってしかもカナダ?
カナダに……行って帰ってきたの? 一日で?
……暇なんだな。
「ま、真緒……。藤峰…洋平?」
「そだよ。だから言ったでしょ?」
「そ、そうね。ちょっとイメージと違う気もするわね…」
無理しなくていいんだよりんりんたら。
「どうも娘さんの大・親・友の青木いいます~」
「おお! そうかねそうかね! いや~ありがたいなあ大・親・友なんて。あっはっは」
「ほんまお世話になっとるんです」
「いやいやこちらこそご迷惑をおかけして」
あたしとかっくんと世界中に多大な迷惑をかけまくっている張本人が言うことじゃない気がする。
「あそおだ楓くんや。未来の私の息子や」
「……なんでしょう」
一瞬頬を引き攣らせ、反論しかけたかっくんだったけど、さすがにもう分かっていた。
父様という人を。反論しても無駄だということを。