その後、車を出してもらい当てもなくふらふらすること一時間弱。

野木さんが運転席からこう提案してきた。


「どうでしょう、今夜はどこかホテルにお泊りになられては?」


「そっか……空港の近くに泊まればいいんだわっ! 明日にはりんりん達も着くよね、ね?」


「さあ? たぶん」


「んじゃどっか空港に一番近いとこにお願いしまーす。…あ、父様には何も言っちゃダメよ」


こんな騒ぎ巻き起こしたんだから、ちょっとは反省させなくちゃね。

それに絶対ついてくるし。

そしたら雲隠れの意味なくなっちゃう。


「明日には帰ってもいいかなあ?」


野木さんにそう問うと、「念のためもう一日あけられた方がよろしいかと」と言われ、そうすることにした。


「かっくんー…。ごめんね?」


あたしが謝ってどうにかなるわけじゃないけど、何度も言わないと気が落ち着かなかった。


「俺としては、後々好都合だし…」


「なにが?」


「……いや、別に」




かっくんて時々分かんなーい。


「早くりんりん達来ないかな。ね!」


「できれば来てほしくねぇ」


えー。なんで?