一気に全部言ってしまおうと口を開いた時だった。


「お嬢様! 申し訳ございませんっ!」


いつもなら丁寧にノックをして入ってくるはずのメイドさんが、勢いよく扉を開けて飛び込んできた。


「わっ…な、なに? どうしたの?」


「申し訳ございません…っ…! わたくしの力では及ばず…! 日本の取材陣が…」


「……え"」


な、なに? まさか……。


『真裕様? 真裕お嬢様? どうかなさいましたか?』


「な、なんでもない…。裏口のセキュリティ、今すぐ外して」


逃げよう。ここは、うん。

とりあえず今この瞬間いないとなれば、しばらく来ないでしょ。

あたし元々家開けがちだったし…またしばらく帰ってこないと思うはずだわ。


「かっくん、そういうわけなんで、行こう!」


「は? いや…どこに」


どこかなんてこれから考えるよ。

車も調達してる時間ないね。

しょうがない。今のところはうちで一番地味なやつ使おう。


「疲れてるだろうし悪いんだけど、野木さんに運転頼まなきゃ。お願いしといてくれる?」


「は、はい…。本当に申し訳ございません」


「いいのいいの」


あれじゃ…大変だもんね。