ああ…。
連続でこのテンション相手にするのか…。
半ばげんなりしながらも、一個一個丁寧に対応した。
『音楽界のプリンセス藤峰真裕と音楽界の貴公子星野楓が婚約って大騒ぎよ! 本当なの? てかなにがあれば一日でそういうことになるわけ!?』
た、たしかに…。
一日しか経ってないね。
なんでこんなことになってんだろうね。あたしが聞きたいっていうかね。
『今こっち夜だっていうのにまーあちこちでそのニュースやってるわよ?』
「夜なの? そっかそっか。時差があるんだっけね」
『そうよ当たり前じゃない。そっちは今お昼くらいかしら? ……ふざけんなよこら』
「あ"」
怖い。かっくんより怖い。
『いいわもうっ! あたし行くから!』
「は……」
え、え? …え!?
行くって行くってどこに? え、ここに来るの!?
ちょっ、待って待って。なにその「今からお隣行ってくるわね~」みたいな軽さ!
フランスですよ!? 日本とフランス十時間以上離れてるよ?
『あたしだってそれなりに稼ぎあるんですからねっ。行くわよ! そんかし泊めなさいよ? 泊まり賃まではさすがにないわ』
「いや、待っ…」
『あと修平達も連れてくわ。蓮二はともかく修平なんて気絶しそうな勢いだからね』
「だから待っ…」