「Do you love her properly?」
(君はちゃんと、彼女を愛しているか?)


え? なに?

ラブ? ……早口じゃ分かんない。


「Of course」
(もちろんです)


かっくん?

やだぁ分かんないじゃん!


「かっくん…」


「Is it so? Then…」
(そうか。では…)


さっきまでかっくんを見ていた彼は、ふとあたしに視線を落とした。


「…?」


『マヒロ、私の名はケイン。ケイン・スタッディーノ。父と同じようにバイオリンを教えているよ』


「…?」


えっと…うん。

そうなんだ?

それで…?


まったく話が読めず、首を傾げてケインを見つめる。


『君さえよければ、私に父の遺志を継がせてほしい』


「…え……?」



どういう……意味…?