「真緒!?」


その音に慌てて駆けつけてくれたのは、もちろんかっくん。

…いや、すごいよね。

表情からして慌ててるのに、他の生徒がいること気にしてちゃんと「真緒」って呼んでるその冷静さ。


「なにしてんだよお前…」


「だってぇ…。急に叫び声がしたからびっくりして」


「怪我は?」


「ううん。手から滑り落ちただけだから」


「気ィ付けろよ」


「うん」


ほっと安心した表情で頭を撫でてくれるのが、妙に嬉しかった。


「いっやー……。最初からラブラブカップルみたいだったから逆に分かんなかったわよー…」


「こうも変わらないことってあるんだね」


「いや、元々がおかしかったんちゃう?」


…?


「真緒ちゃん大丈夫!?」

「今すごい声とすごい音がしたよ」


すごい声だってぇ~あはは!

りんりんすごい声だって!


「違うわよ修平よ!」


「いやいや花梨やて!」


「どっちもだね」


「……」

「……」