「おかえりかっくんすてき! だいすき~!」


戻ってきたかっくんに飛びつきながら言った。

首にぶら下がって、耳元で「おつかれさま」と囁いた。


「すごかったねすごかったね! さすがだねかっくんっ」


「分かったから…降りろ」


「やだあ~ん」


かっくん…。あたしほんとにかっくん大好き。

くっついてなきゃ不安だよ。


「……ねえ…、本っ当に付き合ってないの?」


「花梨それ聞くの? 僕だって何回押しとどめたことか…」


「……」


「…あれ? あれれれれ?」


「お? 今までと反応ちゃうでおにーさん」


「……まひ…真緒、水」


「お水? は~い分かった」


お水ね、はいはい。

そうだよね~疲れるよね~。

意外と体力使うんだよね~。


「ぇええぇぇえぇ!?!?」


―がっちゃん


「……あ」


……落ちたがね。

グラス、落ちたがね。