…なにか…。

なにかものすごーく余計なことを言いそうな気がしたので、強制的に口をふさいで連れ戻した。


「ふふぁーん! はにゃひてーっ」


「お前、余計なこと喋んなよ?」


「ぷはっ…。余計ってなあに?」


「ハア……」


余計だと自覚してねぇからこえーんだよ。


今度こそ本当に心の底からため息をこぼして、元いた場所に座った。




「きゃーーーーっっっ! かっこいい星野くんっっ❤」

「さすがだわ! でもやっぱり付き合ってないなんて不思議っ」

「きっとお兄さんの役目なのねっ?」

「分かるわ分かるわ真緒ちゃん可愛いもの! 守ってあげたくなっちゃう❤」





白熱していたバトルが終わったかと思えば今度は勝手にそれで盛り上がり始め、それから開始時間ギリギリまではしゃぎまくっていた。


「……結局なに演るの?」


「知らねえっつうの」



ものすごーーく様々な意味で。

前途多難な音楽祭になりそうな気がする。

なんせこの音楽祭は今日一日じゃない。

明日と今日と、二日がかり。


たのむから何事もなく終わってくれよ…。


祈らずにはいられなかった。