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「お世話になりました」
深々ーと頭を下げかっくんママにお礼を述べた。
色々ありがとうございましただね!
あたしだけじゃなくて琥珀達まで預かってくれたんだし…。
「ありがとうママ」
「いいのよそんなの。またいらっしゃいねあわよくば毎日っ♪」
「うんっ」
「うんじゃねぇ…」
げっそりした表情で呟くかっくん。
ムリもない。さんっざんママにからかわれてた。
婚約者だと信じ切っているし、きゃっきゃいいながらとんでもないこと言ってみたり…。
かっくんも大変なんだね。
「行くぞ」
「はーい」
すぐそこだからと言ったのに、ママが「送ってきなさい」の一点張りで、マンションまで連れて帰ってもらうことにした。
かっくん曰く「まあお前ふらふらしてるし、すぐそこでも着けなそう」って。
失礼な。ねえ? 自分ちくらい帰れますともさ。
「ねえ、そういえば昨日の練習てなんかの音楽祭に向けてじゃなかった?」
かっくん宅を離れ、琥珀達とのんびり歩きながらふと思い出したこと。
「軽井沢。めんどくせぇ…。あの騒動のために受けたばっかりに…」
「?」