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―キンッ


「あっ…」


「ハア…。どうしたんですか武藤さん? 調子が良くないようですね」


「すみません…」


またやっちゃった…。


「顔色もよくないですし、医務室で休んでらっしゃい」


「…はい」


久しぶりの授業。

バイオリンを持てることが嬉しいはずなのに、全く身が入らない。



「第一素人のくせにこんな学校に来て…Sクラスなんかにいること自体おかしいのよね」

「結局そんなものだもの、迷惑極まりないわ」

「本当…。やる気ない人はいっそやめちゃってほしいわね」



痛むこめかみを抑えながら教室を出ようとするあたしには、一部のバイオリン科の女の子達からそんな言葉が次々浴びせられる。


「ちょっと…やめなさいよそういうの」


同じクラスの子はあたしをかばってくれるしとてもよくしてくれる。




「ふ…う…」


ようやく出入り口付近まで歩いてきて。でもそこまでが限界だった。

くらっと視線が揺れ、思わず壁にもたれかかる。


「武藤さん?」