「待って~っ真緒ちゃあ~ん!」



「……なんでかっくんじゃなくてまおなの?」


「そりゃ……って…今のんびり説明してる場合じゃないわ。自分で察して!」


分かんないから聞いてるのにー。

察せるんだったらとっくに察してるよ。


「今見えてへんで! 別れよ」

「楓、パス!」

「え"」

「にゃあ!」

「いや待て。最悪の組み合わせだろ」

「だからだよ。まだ花梨が持ってることにするからほら、早く!」

「持ってるて。てか投げないで? こあかったよまお」


あたしお荷物ですか? 物ですか物。


…なんて一人で言ってるうちに、今度はかっくんに抱えられて空を飛んでる気分だった。


しばらく走ると学校に着いたけど、後ろには誰もいなかった。

……そう。後ろには…ね…。ふっ…。


「星野くんっ」


「あ」


「真緒ちゃんを渡して!」


「え……っと……無理」


前にいたーーーっ!

びっっっくりしたあ。

心臓ぴょーんって跳ねたよー…。