「お。真緒ちゃん、楓くん。なんだかものすっごーーく久しぶりな気がするね」


三人で歩いていると、別の道から蓮くんがひょっこり出てきた。


「きゃ~~~~っ! 蓮くん!」


一ヶ月以上ぶり!

きゃあきゃあ蓮くんだ!


「蓮くんーーっっ❤」


だだだだだっと駆け寄って、ぐゎしっと両手を掴むと……ぴょんぴょん跳ねまわった。


「はは、は…」


「…鞄を投げるな」


ぽーいっと投げて走ってってしまった鞄を拾ってぱんぱん汚れを払いながら、かっくんが呟いた。


「真緒たん俺は?」


「しゅっちゃんだ。意外と久しぶり~」


「……そんだけ…ぐすん。感動が薄い」


だって…パリでずっと一緒だったじゃん。


「面倒なことになりそうじゃない? 今日」


みんな揃ってまた歩き出したとき、蓮くんが愉快そうな表情でかっくんにそう言った。


「またお前を囮に…」


「それだけは本当勘弁」


「…冗談だ」


「冗談は真顔で言うものじゃないよ」


「お前が言うか」


あら。あらあらあら。

どしちゃったの二人。なんか仲良いのね。