コップ一杯分全部飲み干して、またかっくんの肩に顎を乗せた…そのときだった。


―ピーッ


『お嬢様! 緊急事態が発生しました』


「……あん?」


きんきゅう…なに?

え?


『藤峰家へリポートに報道陣が集まっているようです』


「……」


…はい?


「……深夜…。個人ヘリ…」


どおなってんの…?


「んー…? なになに…どうかしたの?」


眠っていたらしいりんりんが、むくっと起き上がる。


『いかがいたしましょう?』


いつまでも上空に留まってもいられないので、受話器を取ってとりあえず喋ってみた。


「分かんない」


『……』


「……」


だって分かんないんだもんどうしたらいい?

いくらあたしが隠れようとしたって、藤峰家の個人ヘリなんて使うのは当然藤峰の人間なんだから…分かっちゃうよ。


「んー……まあとりあえず降りてよ」


顔さえ見られなきゃ別にいいかな。