―プルルルルル
優雅な(嘘)紅茶タイムを終えた頃、室内用電話が突然鳴り響き、うとうとしかけていたあたしはびっくりし過ぎてそれはもう飛び跳ねた。
「ななななになになに!?」
「電話やん」
でんわ? でんわっ?
…ああ、ほんとだ。
「もしもし?」
『野木でございます。お電話で申し訳ございませんが、仕度が整いましたのでそのご報告を。いつでも出発できますよ』
「あ、ほんと? じゃあ今から行くね。ありがとうお疲れ様」
いっやー本当忙しそう。
休ませてあげたいよね。
…とか言いつつ一番仕事させてるのってあたし? ねえあたし? もしかして…あたしなの!?
「やだ~~~! どうしよう!」
「はあ?」
えーっえーっどうしよう…。
「…もう一人か二人くらい、専属の運転手つけたほうがいいかな…」
「いやいやなんでそうなるのよ。なにがあったの一体」
だって野木さん大変だよ~…。
でもでもあたしが日本に行っちゃえば三分の一くらいに減るよね。
……あれ、やっぱりあたしが一番…。