ぽかんとする三人をよそにきゃあきゃあ言っていると、コンコンと戸を叩く音がした。
「失礼いたします。お紅茶をお持ちしました」
「あ、ありがとう」
「こちらミルクとお砂糖置いておきますね。レモンは…よろしかったですよね?」
「うん。…あ、誰かレモンいる?」
あたしはレモンティーは無理だけど…。
…うん。よし。みんな首振ったね。
「うんいいよ。ありがと」
「では、失礼いたします」
とっても丁寧にまた頭を下げ、メイドさんその一は部屋を出た。
……なんせあたしこの四月から家出てるからさ。
その後に来たメイドさんは知らないんだよね。
昔ながらの人とかー、代々家に仕えてる坂本さんみたいな人とかは分かるんだけどね…。
「ほないただきまーす」
しゅっちゃん、コーヒーは飲めないって言ってたけど紅茶は飲めるんだね。
まあ苦くないしね。
…とかなんとか言ってるあたし、ミルク入れなきゃ飲めない。
「ん、美味しい」
ストレートで一口飲んだりんりんが呟く。
紅茶のカップを持って足を組んでっていうのが妙に似合う。
「りんりんかっこいい」
「え?」
いやーホント似合うよ。