『私は、時々運命とは神のいたずらじゃないかと思うよ。…また会おう、マヒロ…』
「……?」
「知り合いなのか?」
「ううん。こないだ空港でちょっと…」
どういう意味かな?
優雅に去っていく彼の後姿を見ながら、ひたすらに首を傾げた。
「…あ! それより早く帰ろうよ。出発しなきゃ」
「そうね」
「そや…ね…」
ダウン寸前のしゅっちゃんを引っ張りながら、上機嫌で歩いた。
「たっだいま~」
久々に正門から入り、玄関の扉をばーんっと開けると、ずらーっと並んだメイドさん達が一斉に頭を下げた。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
「うん。野木さんはどこ?」
「野木様でしたら、ただいま飛行機の整備にあたられております」
「そっかそっか」