「まいいからいいから」


ほいっと差し出すと、かっくんは黙ってそれを口に入れた。


「これなに?」


「ラスク」


らすく? らす…らす…?


「固いね」


「パンをちょちょいって加工して固くなったのがラスクよ」


ちょちょいって?

ふーん…?

やっぱりパンなんだ。

へーふーん…。


「分かってないわね」


「…?」


まあいいけどね。


らすくとやらをかじりつつ、琥珀のひもを握ってかっくんの隣を歩いていたそんなとき、目の前でいきなりものすごい光景が繰り広げられた。



―どばきぃっ



「え"」


「Do it want to be hit by you!?」
(殴られてぇのか!?)


「は」


「I'm sorry! It did not mean any harm really」
(すみません! 本当に悪気はなかったんです)


「な」