「なっ…」


なにしやがんだ…と、叫びそうになった。

それを遮ったのは、扉の開く音と真裕の声だった。


「父様ー、お客さ…ま……が………」


「……」

「……」

「……」


おいおい…。

その顔なんだこら。


―ギィー……バタン


「……」

「……」




「わーーーーーんっ父様のばかぁーっ! まおのかっくんなのにぃーーっ!!」




……。


なにも言わず扉を閉めたかと思うと、そう泣き叫ぶと同時に足音が遠ざかっていった。

それもそのはず。

なぜか俺は今、真裕父に抱きつかれている。

さすがは親子……。


「…離してください」


「いやあ感動したよ!」


「はあ?」