――真裕(真緒)サイド――
かっくんが日本に帰って三日が経った。
向こうでやっと落ち着く頃だろう。
大丈夫かな…。
学校はまだ終わってないはずだけど、どうしてるのかな?
見つかってないのかな…。
毎日心配で心配で夜も眠れない。
……いやまあ寝てるけど。
きっちり十時間寝てるけど。
坂本さんに「寝過ぎは体によくありません!」って言われるけど。
「おはようございますお嬢様。今日は起きてらしたんですね」
「うん。目覚ましかけてみたの。でも起きたら目覚ましこわれてた」
「……は?」
う~ん…よく覚えてないんだけどね。
あんまりにうるさいものだから、確か……。
「確か……投げたかも」
「……」
で、そのがっしゃーんって音に驚いて起きた琥珀が、あたしのベッドの中に潜ってきた……んだと思う。
それで起きたの。
鈍い梨音は起きなかったんだけどね。
「目覚ましは……明日からかけずに寝ましょうね」
「うん。そおする」