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「―…ろ……真裕……」
う…ん~……。
「くぉら真裕」
「…………いだい」
…はい。
たった今ほっぺたをつままれました藤峰真裕、じゅーろくさい。
いまいち今の状況が理解しきれません。
「…かっくん?」
あたしのほっぺたをつまんだのは……天才バイオリニスト星野楓こと、あたしのかっくんですね?
……間違えたみんなのかっくんですね?
いや、『かっくん』はあたしのだよ。
…いや、そんなこと今はどうだっていいんだよ。
「着いたの?」
「いや。もうちょっと」
「じゃあなあに?」
「飯」
…ら…ほんとだ。
パリへ向かう飛行機の中、時間的に食事は不可欠だ。