一年ぶりの日本は何かと変わってない。

だが、アメリカよりは素朴だ。街が。


空港から親父の会社まではそう遠くはない。

たくさんあるビルの中の一際目立つIT企業の会社。


…絶対にここを奪ってやる。


波留が運転する車は、会社の地下へと入った。


社員はもう帰ったのか、ちらほらしか車は無かった。


車が止まり、波留が俺のドアを開ける前に俺は、自分でドアを開けて、車から降りた。


そんな俺にまた波留は笑う。


「…波留はここからどうするんだ?」


「これから少し仕事をしてきます」


「…わかった」