汗を流し終え、俺はシャワー室を出た。
髪の毛を乾かし、数ある中の一番お気に入りの黒いスーツを完璧に着こなす。
時刻は10時を回ろうとしていた。
…今からアメリカを出たら日本に着くのは夜の10時か11時か。
ダルさを抜くために首の骨を鳴らし、荷物を持ち、俺はマンションを出た。
下へ行くと、見覚えのある高級車。
波留がドアを開けて待っている。
荷物をドアの横に置き、俺は車へ乗った。
日本でリムジンなんか乗ったら注目の的だが、アメリカでリムジンなんて普通中の普通だ。
俺にとってアメリカはとても居やすい場所。